大正14年白秋は初めて北海道を旅します。そのとき作ったのが「この道」ですが北海道の道ではありません。それは「いつか」という昔のある時を意味する言葉を4回繰り返し「あゝそうだよ」と言っているからです。

幼い頃、白秋は母親と一緒に駕篭に乗って柳川から母親の里、熊本の南関へよく行っておりました。その往き来した道へ北海道で見た「あかしやの花」「時計台」を織り込み、一緒に乗った駕篭を馬車に置き換えているのです。

「この道」は白秋の幼い頃のなつかしい思い出の道なのです。